回線事業者とプロバイダ

回線事業者とは?

前回、家庭内や企業内のみで完結するネットワークであるLAN(Local Area Network)と、LAN同士を結んで出来るやや大きなネットワークであるWAN(Wide Area Network)、そしてLANやWANなどの様々なネットワークをどんどん繋いでいって、世界中が1つのネットワークとなった結果がインターネットであると解説しました。

今回は、上記の内、WANに相当する部分を少し詳しく解説しようと思います。

WANを構築するには、LANとLANの間を専用回線で結ぶのが一番です。これなら他人が入り込む余地がないため、セキュリティーの面でも安心です。

しかし、これだと自由にインターネットを泳ぎ回ることは出来ませんし、アクセスを行う場所ごとに回線を引かなければならないため、コストの面でも非現実的です。

そこで、データが通る道を多くの人で共有する仕組みを取るのです。まず、広い範囲をカバーする回線網を用意しておき、そこに利用者のLANを接続することで、それぞれが互いに行き来することが可能になると言う訳です。全国をくまなくカバーする公道と、公道へ繋がる私道の関係と似ていると言えるでしょう。

この通信回線網を管理するのが電気通信事業者、いわゆる通信キャリアで、回線事業者などとも呼ばれます。以下のような企業が含まれます。

  • 電話会社系・・・NTTKDDIソフトバンク
  • 電力会社系・・・ケイ・オプティコムSTNetなど
  • ケーブルテレビ会社系

通信回線は全て電線に沿うように張られていますが、日本中どこにでも存在するラインを考えると必然なのでしょう。他にも鉄道会社などがありますが、ここでは扱いません。いずれにせよ、インターネットに接続するには、回線事業者から回線を借りなければならないのです。この回線が、LANとLANを結ぶ回線となり、WANが構築されると言うことです。

掛かるコスト

回線事業者との契約時に掛かる一般的なコストを挙げてみたいと思います。

まず、公道(回線網)へ繋がる私道の敷設(回線を自宅に引き込む)のために、契約後に初期工事とその費用が掛かります。

それから、回線事業者の通信回線を借りることで通信を行うことが出来るようになる訳ですが、その利用料を毎月支払う必要があります。また、そのための機器のレンタル料が毎月掛かるのも一般的です。

さらに、通信回線には複数の種類があり、それぞれ通信速度や品質、価格などが異なります。通信回線に使われるケーブルには、光ファイバーケーブル電話線などがありますが、一般的には、前者が使われる回線を光回線、後者が使われる回線をADSL回線などと呼びます。これら回線の種類によっても、掛かるコストは変わってきます。

具体的な額については会社ごとに異なるため、ここでは触れませんが、初期費用無料や月額料金の割引などのキャンペーンはよく行われていて、各社のアピールポイントとなっていますので、自分に合った条件を探してみるとよいでしょう。

プロバイダとは?

通信インフラについては、おおよそお分かり頂けたかと思いますが、回線事業者はあくまでも通信設備の管理がお仕事ですので、それだけでは通信を行うことはできません。

回線事業者が提供する通信設備を使って、データのやり取りを行ってくれる存在が必要になるのですが、それを行ってくれる会社のことをプロバイダ(プロバイダー)と言います。

先ほど通信回線を道路に例えましたが、プロバイダの仕事とは、宅配業者やタクシー会社のようなものと言えるかもしれません。データと言う荷物や人を家まで取りに、迎えに来てくれて、指定した場所まで運んでくれるからです。

プロバイダは、その他にもメールサービスや各種セキュリティなど、ネットを便利に使うためのサービスをいくつも提供しています。

プロバイダの数は非常に多いのですが、以下にその一例を挙げます。

  • OCN
  • ぷらら
  • So-netなど

インターネットを利用するには、回線事業者から物理的な回線を借り、借りた回線を使ってプロバイダに接続してもらう必要があるため、回線契約とプロバイダ契約をそれぞれ別に結ばなければならないのです。

ただし、中にはプロバイダが最初から決まっている(プロバイダが固定されている)回線事業者もいるので注意が必要です。

掛かるコスト

基本的に掛かるコストは毎月の利用料だけで、高くとも1000円ほどが一般的でしょう。

ただし、各種キャンペーンなどで、一定期間無料になったり、割引されたりと、お得な契約を頻繁に目にすると思いますので、逃さないようにしたいものです。

また、ネット接続以外のオプションサービスを利用する場合は、別途料金が掛かることもあります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする