FLET’S(フレッツ)光とは、NTTが提供する光回線サービスの名称です。東日本ではNTT東日本が、西日本ではNTT西日本がサービスを提供しますが、同じフレッツの名を使いながら、サービス内容は異なるため、注意が必要です。ここでは、NTT西日本のフレッツ光について解説します。
また、フレッツ光には、様々なサービス、プランがありますが、戸建て(3戸以下の建物)向けにはファミリーが、集合住宅(4戸以上の建物)向けにはマンションがプランの名前に入るので、それぞれをファミリータイプとマンションタイプと呼ぶことにします。
ここでは、ファミリータイプの解説を行いますが、細かい部分まで正確な情報とは限らない点と、お住まいの地域によっては、対応していないサービスもある点などをご了承下さい。
フレッツ光の契約は、色々な会社が色々な条件で提示していますが、まずはフレッツ光の公式であるNTT西日本のサービス内容を確認してみましょう。
フレッツ光(NTT西日本)に掛かる費用
フレッツ光を利用するに当たり掛かる費用には、以下のようなものがあります。
1: 初期費用
まずは、光ファイバーケーブル(光回線)を自宅内に引き込む必要があります。各戸へ引き込んだケーブルの先を回線終端装置(ONU、光信号を電気信号に変換する)と呼ばれる装置に接続しますが、このONUの設置をもって開通工事は完了となります(ONUとホームゲートウェイ(ルーター)が一体となったタイプもあります)。ただし、ひかり電話に加入しているかなどにより、使われる機器と機器の数が異なるため、実際に何がどう配置されるかについては一概には言えません。
以下に一般的な場合の費用を掲載します。
料金 | 内容 | |
---|---|---|
契約料 | 800円 | 1契約ごとに掛かる費用 |
初期工事費 | 18000円 | 屋内配線の工程がある場合の価格 分割払いも可能 |
初期工事費が約18000円掛かりますが、通常これは開通月に3000円と、2か月目から31か月目までの30か月間、月々の料金に500円(15000/30)上乗せされる形で支払われます。また、これとは別に契約料として800円が掛かります。ただし、屋内配線の必要がない場合は、これよりも安く済むことがあります。
工事後は、契約者自身がONUとパソコンやルーターを繋げたり、インターネット接続のための各種設定などを行うことになりますが、よく分からない人のために初期設定などを行うセットアップサービスも用意されています。
ただし、定額で全てを行ってくれる訳ではなく、インターネット接続設定、Wi-Fi設定など各作業ごとに料金が決まっていて、個別に選択をするシステムなため、出来る限り自分で設定を行った方がよいでしょう。
2: 月額料金
フレッツ光の料金プランは、なかなかに複雑です。
まず大別すると、定額プランのフレッツ 光ネクストと2段階定額プランのフレッツ 光ライトの2系統のサービスに分かれます。
定額プランはどれだけ使っても料金は同じですが、2段階定額プランは使用量(やり取りするデータの量)に応じて料金が変わってきます。ただし、上限額が決まっているため、一定以上使用すると、料金は固定されます。
そして、それぞれに細かいタイプの違いがあります。正確な区分なのかは分からないのですが、プランが大きな区切りで、各プランがさらにいくつかのタイプに分けられている感じです。以下のようなものがあります。
●フレッツ 光ネクスト(定額プラン)
サービスタイプ | 速度 | 月額料金 |
---|---|---|
ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼 |
1G bps | 5400円 |
ファミリー・ハイスピードタイプ | 200M bps | |
ファミリータイプ | 100M bps |
※上記料金は、各種割引サービスが適用されていない状態です。また、プロバイダ利用料も含まれていません。
利用者がプランを選ぶと言うスタイルではなく、高速なプランは後から追加されたプランで、古い低速なプランがそのまま残っていると言う状況です。そして、新しく契約する場合は、新しい速いプランが既定となる仕組みです。
つまり、現在では新規加入者は、ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼が既定のプランになると言うことです。また、古いプランのままの利用者も、申請すると工事は必要ですが、無料でファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼に変更出来るようです。
自宅の外までのNTT西日本の光回線網は、全て1Gbps以上の高速回線が使われています。実は、各プランの通信速度の差は、回線網と自宅を繋ぐ回線の速度の差なのです。
●フレッツ 光ライト(2段階定額プラン)
サービスタイプ | 速度 | 月額料金 |
---|---|---|
ファミリータイプ | 100M bps | ~320MB: 3200円 320MB~1320MB: 28円/10MB 1320MB~: 6000円 |
※上記料金は、各種割引サービスが適用されていない状態です。また、プロバイダ利用料も含まれていません。
光ライトのサービスタイプには、ファミリータイプと呼ばれるものが1つだけ存在しています。
ご覧の通り、通信量により料金が変化していますが、わずか1320MB(1.32GB)で上限に到達して、6000円となってしまいます。これは、光ネクストのファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼よりも高額です(光ネクストは5400円)。
フレッツ(NTT西日本)公式では、動画を3.75MB/分、ホームページを2MB/ページと想定していますが、1.32GBだと月に動画を6時間、ホームページを660ページほど見ると、上限に達する計算になります。
また、システムやソフトウェアの各種アップデートなどでも、数十から多い時は数百MBのデータ通信は十分考えられますので、光ライトはかなり人を選ぶプランと言わざるを得ません。2段階料金プランは、自分が月に使う量がしっかりと分かっている人向けのプランと言えるでしょう。
3: サービス
フレッツ光には、ネットサービスの他に、ひかり電話と言う光回線を利用した電話サービスがあります。
光回線の初期費用とは別に電話向けの費用が掛かりますが、既に加入電話を利用しているかなどにより工事費は変わってきます。
また、電話の料金プランやオプションサービスなどもありますが、ここでは扱いません。公式サイトでご確認下さい。
電話の他にも、テレビサービスやサポートサービスなどもあります。
4: キャンペーン
様々なキャンペーンにより、サービスをよりお得に利用出来るようになっています。可能であれば積極的に活用したいところですが、面倒な手続きが必要だったりもしますので、公式サイトなどでしっかりと確認しておいた方がよいでしょう。
フレッツ光(NTT西日本)公式のキャンペーンの内、代表的なものを以下にいくつか挙げてみます。
●光もっと²割(光もっともっと割)
フレッツ 光ネクストの各サービスタイプが対象の割引サービスですが、非常にややこしいです。フレッツ光の利用年数と、割引サービスの適用期間により、割引額と解約金が変わってきます。
a)フレッツ光の利用期間が2年未満の場合
上記のケースでは、フレッツ光を利用して10か月目から光もっともっと割を適用しています。この場合は、利用2年目一杯まで1100円の割引となるため、残り15か月間の月額料金は4300円となり、翌年(3年目)はさらに190円割引額が増え(1290円)、月額料金は4110円となります。
その後は1年経過するごとに100円ずつ割引額が増えて、8年目以降は最大の1790円で割引額が固定され、月額料金は3610円となります。
また、フレッツ光の利用期間で2年目の最後、その後は3年ごとに当割引サービスの更新タイミングがやって来ますが、解約を申し出なければ自動で延伸されます。更新のタイミングは、満了月とその翌月で、この期間以外に当割引サービスを解約すると解約金が発生します。
b)フレッツ光の利用期間が2年以上経過している場合
フレッツ光の利用期間が2年以上の場合、光もっともっと割の前身である光もっと割引(現在は加入不可)に加入しているかどうかなどにより違いが生じますが、基本的には利用期間が2年未満のケースから最初の2年を削ったような形になります。つまり、3年目の割引額1290円、月額料金4110円からのスタートになると言うことです。
その上で、光もっと割引に加入している人が光もっともっと割に申し込むと、光もっと割引を開始した時を光もっともっと割の開始時と見なします。仮に、光もっと割引の開始から5年が経過していた場合は、最大割引額の1790円、月額料金3610円からのスタートになる訳です。光もっともっと割は、割引サービス適用期間が長いほど割引額が増えますから、スタート時期が早いのはお得なのです。
光もっと割引に加入していない人が新規に光もっともっと割に申し込むと、その時点から割引サービスの適用期間が開始されます。つまり、フレッツ光の利用期間が6年以上であっても、割引額は最低クラスからのスタートとなる訳です。フレッツ光自体と、割引サービスの利用期間は別々にカウントされていると言うことです。
●Web 光もっと²割(光もっともっと割)
Web 光もっともっと割は、フレッツ公式サイトからフレッツ 光ネクスト及び光プレミアム(一部例外有り)を新規に申し込む場合に加入出来る割引サービスです。光もっともっと割は、3年目からさらに段階的に月額料金が下がっていきますが、当割引サービスは光もっともっと割の最初の5年間に、いきなり6年目の割引額が適用されると言うものです。
●光ライト割
フレッツ 光ライト ファミリータイプとフレッツ・あっと割引(次項で解説)を新規で同時に申し込む場合に加入出来る割引サービスです。フレッツ・あっと割引に加え、31か月間毎月500円割引されます。32か月目以降は、フレッツ・あっと割引のみの適用となります。
割引適用期間が24か月未満の段階で解約した場合は解約金が必要になります。その額は、12か月未満の場合が9000円で、13か月から24か月未満の場合が4500円です。ただし、24か月目の末日に解約した場合は、解約金は掛かりません。
●フレッツ・あっと割引
フレッツ 光ライトやBフレッツなどいくつかのプランで利用可能な割引サービスです。光ネクストの一般ユーザーは、基本的に対象外です。これらのプランを2年間継続利用することを条件に申し込むことが可能で、毎月400円割引されます。
解約に関することは、光ライト割とほぼ同じです。割引適用期間が24か月未満の段階で解約した場合は解約金が必要になります。その額は、12か月未満の場合が9000円で、13か月から24か月未満の場合が4500円です。ただし、24か月目の末日に解約した場合は、解約金は掛かりません。また、いくつかの例外事項も存在しますので、詳細を公式サイトで確認した方がよいかと思います。
●まるまる3ヵ月無料
フレッツ 光ライト ファミリータイプを新規に申し込む場合に適用可能な割引サービスです。月額利用料が利用開始日からまるまる3か月無料になります。
まるまる3か月ですので、月をまたいで4か月に及ぶ場合は、開始月と終了月の割引額は日割りで算出されます。
例えば、ある月(30日間)の11日に利用を開始した場合、11日~30日までの20日間が対象期間となるため、月額利用料の20/30 = 2/3が割引かれることになる訳です。
同様に、終了月も1日~10日の10日間た対象ですから、月額利用料の10/30 = 1/3が割引となります。
5: with フレッツ(プロバイダパック)
インターネットを利用するには、回線契約だけでなくプロバイダとの契約も必要ですが、フレッツ光とプロバイダの契約をセットで行えるプロバイダパックと呼ばれるサービスがNTT東日本にはあります。このサービスは、各プロバイダ固有の名称の最後に「with フレッツ」と言う言葉を付けてサービス名としています。例えば、plalaであれば、ぷらら光メイト with フレッツと言う感じです。
それに対し、NTT西日本では、具体的なサービス名自体は東日本同様、語尾にwith フレッツを付ける形ですが、プロバイダパックに相当する言葉としてwith フレッツを使っているようです。
with フレッツは、プロバイダ特典があったり、支払先が一元化できたりなど、お得で便利なサービスです。ただし、最低利用期間と期間内に解約した場合の解約金が設定されていますので、しっかりと確認しておいた方がよいでしょう。
対応プロバイダはお住まいの地域などにより異なりますが、仮にplala(ぷらら)と契約する場合を考えてみます。
まず、ファミリータイプのplalaの月額利用料は1000円、最低利用期間は24か月で、解約金は9000円ですが、プロバイダ特典により、1か月無料 + 23か月500円で利用出来、さらに支払先をまとめることも可能なのです(分けることも可能です)。
with フレッツを利用しない場合は、別途自分でプロバイダと直接契約する必要があります。
6: 3年間のトータルコスト
上記1~5の組み合わせで掛かる費用が大体決まりますが、それらを参考に、開通から3年間のトータルコストを表にしてみます。
想定するケースは、戸建て向けのフレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼、オプションサービス(電話など)はなし、割引サービスは光もっと²割を適用させ、プロバイダは最安のBB.exciteとします。3年間に支払う額は以下のようになります。
1年目 | |||
---|---|---|---|
契約月数 | 1(開通月) | 2 | 3~12(10) |
月額料金 | 5400(基本料金) +3000(工事費) +800(契約料) +250(プロバイダ料) |
5400 +500(工事費) +250 |
5400 +500 +250 |
毎月の割引額 | 1100(光もっと²割) | 1100 | 1100 |
実際の月額料金 | 8350 | 5050 | 5050 |
小計 | 63900 |
2年目 | 3年目 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
契約月数 | 13~24(12) | 25~31(7) | 32~36(5) | |||
月額料金 | 5400 +500 +250 |
5400 +500 +500(プロバイダ料) |
5400 +500(プロバイダ料) |
|||
毎月の割引額 | 1100 | 1290 | 1290 | |||
実際の月額料金 | 5050 | 5110 | 4610 | |||
小計 | 60600 | 58820 | ||||
合計 | 183320円 |
- 開通した月を1か月目として、数字は何か月目かを、カッコ内の数字はその期間の月の数をそれぞれ表しています。
- 基本的な月額料金は、5400円となります。
- 1か月目の+3000と2~31か月目の+500(真ん中)は、初期工事費の分割払いの支払い額です。また、開通月の+800は契約料です。
- 月額料金の最後の数字は、プロバイダ料です。想定したBB.exciteは最初の24か月間の月額料金が250円で、その後は500円となります。
- 光もっと²割は、新規の場合、最初の2年の毎月の割引額が1100円で、3年目が1290円、その後は毎年100円ずつ割引額が上がり、8年目の1790円で最大となって以降は変わりません。